鵺のなく頃に

アニメ・ゲーム・イベント・野球の感想を気ままに書き綴ります。

アメイジング・グレイス -What color is your attribute?- 感想

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アメイジング・グレイス -What color is your attribute?-、クリアしました。
去年の今頃にさくらの雲*スカアレットの恋をプレイして、冬茜トム先生が創り上げる世界や物語に感銘を受けました。そうすると、当然のように前作のアメイジング・グレイスにも興味が出ましたが、作品の舞台が12月のクリスマスということで、せっかくなら季節感を合わせてプレイしたかったので昨年(2021年)の12月になるまで楽しみに取っておきました。
さくレットと同等以上の面白さという評判を目にしていましたが、それに違わず、非常に面白かったです。この感想記事を書いている頃には2022年の1月になってしまいましたが、さくレットと同じ1月10日に感想記事を書いていることにちょっと運命じみたものを感じてしまいます。

以下、本編

 

雑感

プレイ時間は約30時間強。アフターも含めて35時間くらいですか。
さくレットを遊んでみて、冬茜トム先生の作品には物語のいたるところに伏線が散りばめられており、終盤において怒涛のように回収されていくということを学びました。アメグレでも同じような構成であるということはレビューとかで目にしていたので、今回はさくレットを遊んだときよりもいろんなところに目を光らせながら読んでいましたが、それでもアメグレに仕込まれていた仕掛けには気付けませんでした。

無文字社会
本作の一番重要な伏線だった思いますが、作中で明らかにされるまで全然想像もしていませんでした。
タイトルにもあるアトリビュートについて何度も説明があったこと、針板が無く音声機能が付いていた鳩時計、指紋・声紋認証機能の鍵、絵しか書かれていない硬貨。他にももっと伏線があったかもしれませんが、これらがすべて無文字社会を作るために行われていた施策だったとは。
謎の落書きの正体が明らかになった時の衝撃はシュウと自分が繋がったようでした。その場にいたユネやヨウジたちが何も分からずポカンとしている様子との対比が印象的。

・キリエの演技
キリエが入学当初から自分を偽っていたのも今作中でトップクラスの驚きでした。コトハの「私は女優キリエの大ファンなんだ」というセリフが思い出されます。ギドウとの対面でキリエが本当の自分を明らかにしたシーンは本当にゾクッとしました。
コトハ先輩が仕掛けていた罠というものがこれだと分かった時のなるほど感。

・犯人の正体
サクヤが何かしら裏のあるキャラクターであることは察しましたが、実行犯がギドウであること、ギドウとサクヤが兄妹であったこと、リンゴを食べて過去に変える能力を持っていたことは分かんなかったです。サクヤがギドウのチェスの相手に付き合っているという話があったのは覚えていますが、他に2人の関係を匂わすような話はあったかなあ。いつかまた遊ぶときがあれば、大人数でいたときのやり取りとかに注目してみたいです。
サクヤが意味深な言動をしているのは割と多くのプレイヤーが気付いたんじゃないでしょうか。「まだ思い出せませんか」とかのセリフに・が付いていることも多かったですし。

・舞台が北海道
オンネトーでググっていれば一発で分かることですが、それをしなかったので気付けませんでした。ただ、語感がアイヌ語っぽいなということは言われてみれば確かにと思ったので、自力で辿り着けなかったことは少し悔しいです。

・キャラクターの名前
作中ではカタカナでしか記されていなかった各キャラクターの名前ですが、スタッフロールに全員の漢字表記が載っていました。シュウ、ユネ、サクヤ、ギドウ、リンカあたりは本編中でも明らかにされていましたね。
これについては割と中盤あたりで予想ができました。ユネはいまいち分かりにくかったですが、サクヤ・キリエ・コトハあたりは日本人の名前っぽいなとうっすらと思いました。

各キャラクター・ルート感想

キリエ

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壁ドンシーンと最終盤の本当の自分を明かすシーンが印象的。

主人公が真っ先に恋に落ちるという割と珍しい展開だったのが新鮮で良かったです。実際、壁ドンシーンはそれまでとのギャップでこっちもグラっときました。普段のおちゃらけた様子と演じている時の真剣な様子の切り替えがすごく、最後の最後に女優キリエの本質を発揮してきた時は本当に鳥肌が立ちました。

コトハ

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うーん、正直印象が薄かった。。。

アポカリプスを引き起こす犯人を見つけるための罠を張っていたということで物語の解決に関わってきましたが、それもどちらかというと実際に頑張ったキリエの手柄という気がしてしまう。3年生ということでリンカやギドウとの関係性を構築するためのキャラクターみたいな不憫なポジションに見えてしまいがち。。。

サクヤ

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もうね、最後の爆発力ですよ。
それまでもシュウをからかったり甘えたりするような後輩キャラとして好感を持っていましたが、真実が明らかになった後にそれまで抱えていたものを堰を切ったように吐露するシーンで好感度ゲージが振り切れました。一途という言葉では表現しきれないくらいのシュウへの想いをぶつけられて涙が止まりませんでした。久しぶりにこれでもかというくらい泣きました。

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そういえばサクヤとギドウの柊という名字にどこか見覚えがあったんですが、7章1節のサブタイトルに「ひいらぎ」の文字がありました。まあクリスマスと柊は関係性が深いですしね。

ユネ

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真面目で純情で優しくて責任感が強くて本当にかわいかった。
シュウとのパートナーとしてクリスマスの悲劇を乗り越えるために奮闘しながらも、最後の1週を迎えて遂に声が出せない状態になった時の不安はやばかったし、ギドウとサクヤとの対峙が終わった後のいよいよこっちのタイムリミットが来たかとなった時は胸が張り裂けそうになった。
この後に鬱展開が待っているかと思ったなか、シュウの秘策と黄金の林檎の奇跡のおかげであっさり解決したのは拍子抜け感もあったけどこれはこれで良かったとも思う。物語の最初で黄金の林檎に関する話をしていて、これが伏線だったことに気付いたのは2週目で初めて気付いた。

かわいいという言葉が本当にふさわしい子でした。真面目でキリエに振り回されがちなところとか、お酒を飲んで酔っ払った時の暴れっぷりも良いアクセントになっていて、シュウが何かのルートから帰ってきたら寂しさで飛びついちゃうところとか、とにかくかわいかったです。
アフタールートでもいろいろな意味で衝撃的な要素を見せてくれました。

終盤までダントツで一番好きな子でしたが、最後はサクヤが一気に伸びてきて、ユネとサクヤの2TOPで終わりました。どっちかなんて選べないよう・・・。

総評

終盤の伏線回収の爆発力は流石の一言、本当に素晴らしかったです。

シナリオ、メインキャラクター、サブキャラクター、音楽、CG、どれもハイクオリティでした。特にメイン4人全員が物語にしっかり関係していたのは特に良かったです。

先日、きゃべつそふとの新作ソフトとなる「ジュエリー・ハーツ・アカデミア」が発表されました。シナリオは安心と信頼の冬茜トム先生。次はどんなワクワクを見せてくれるのか楽しみです。