鵺のなく頃に

アニメ・ゲーム・イベント・野球の感想を気ままに書き綴ります。

超探偵事件簿 レインコード 感想

超探偵事件簿 レインコード | スパイク・チュンソフト

超探偵事件簿 レインコード、クリアしました。

ダンガンロンパシリーズを1~3まで遊んでこのシリーズが大好きな私にとっては待望の新作でした。実際、とても楽しかったです。

・ストーリー、キャラクター:◎、システム、アクション、UI:○、ロード・テンポ:▲
 ダンガンロンパ1-3(正式名称略)に負けず劣らず、ストーリーのどんでん返しや伏線の張り方はお見事でした。キャラクターの膨らませ方や深堀りも良く、最初はなんだこいつら好きになれるのかなと不安もあった超探偵たちもそれぞれの担当章で人間性や行動原理が理解できて、最終的には全員好きになりました。過去作での生き残り組たちと比べると、みんな平等に同じくらい好きかも。語らいは本当に本編と関係のないパーソナルに関する内容で、個人的には少し肩透かし。
 システムや謎迷宮とかのアクション要素は良くも悪くもなく。セーブデータ少なすぎだろとか、QTEけっこう多いな&難しいなとは思いはしたけど、後述のロード時間に比べたらそこまでではなく。謎解きのアクション要素もそこには元々そんなに期待していたわけではないので、あまり何も思わず。
 ロードは長かった。これは明確に不満点。サブイベントの依頼回収中にマップ切り替える時も、謎迷宮中にイベントが入る時も、とにかくロードの長さとその待機時間中の寝落ちに苦しめられた。Switchのスペックの限界との話もあるけど、何か不要な読み込みをしているのではとも疑う。あと、雨が降ってるマップは読み込みが遅いとかカクつきやすいとか他のゲームでもあるけと、レインコードは全マップ雨が降っているわけだからその影響もありそう。
 
・プロローグ
 いきなり超探偵皆殺しにしますかね。犯人だったジルチも本物は乗車前に殺されているという話だったし、救いがなさすぎる。流石ダンガンロンパ制作陣。いろんな意味で信用できる。最初からキャラクターを容赦なく退場させてきたおかげで、この後の章でも、推しのキャラクターがいつ死んでもおかしくないと不安に苛まれました。
 プッチー……。ステレオタイプなオタクなので、プッチーはストライクゾーン真ん中付近だったのに……。CV堀江由衣も最強だったのに……。堀江由衣田村ゆかりを初っ端から堂々と使い捨てにするゲーム、ダンガンロンパと比較しすぎるのも良くないとは思うけど、確かにその血を受け継いでいるゲームだと確認した。

・1章
 あんまり印象がない。カナイ区とか夜行探偵事務所とかそのあたりのチュートリアルだなあと。
 ハララさんは良いキャラでした。てか、毎章終わるたびにその章で相棒だったキャラはみんな好きになったんだけど。最初は素っ気なかったけど、最後には少しは認めてくれたのはユーマくんさながら嬉しかったですね。たとえ、謎迷宮での記憶が無くなったとしても。
 ここで初出かは忘れたけど、ヨミーは松岡禎丞という声優を良く活かしたキャラだと直感。松岡くんはゲスキャラが良く似合います。

・2章
 ユーマちゃんが女学院の生徒に弄ばれるお話はどこですか?冗談はさておき、キャラもシナリオも好きな章でした。
 クルミちゃん、好き。声、キャラデザ、性格、すべて我好み。アイコの死の真相を解き明かしてもらって、加えて自分の窮地も助けてもらったら、そりゃユーマのこと好きになるよね。クルミちゃんとユーマのもどかしい関係に心がくすぐられた。ただ、その後ずっとクルミちゃんが殺されるのではという恐怖と闘っていたけど。制服姿よりもコートを羽織っている時の姿のほうが好き。最近、女の子が自分の身の丈よりも大きな上着を羽織っている姿に惹かれがち。パーカーの虹夏ちゃんとか。
 謎も、まさかの共犯。第1章も結果的に犯人は二人いたけれど、それぞれの事件における犯人は一人。ダンガンロンパ1-3を振り返っても、真犯人に利用されるとかではない対等な関係での共犯というのは初めてでは。これはダンガンロンパでは出来なかったことの一つだなあと。まだまだこのシリーズでやれることは多そうですね。犯行動機も哀しい。たった一人失うだけですべての歯車が噛み合わなくなって狂ってしまう。切ない。執念とでも言うべきでしょうか。

・3章
 謎解きは逃げ道さえ分かれば簡単だった。逃げ道も排水溝までは分かんなかった(忘れていた?)けど、どうせ屋上から水辺にダイブして逃げたんだろとしか思わなかった。ほぼほぼ犯人一人しかいなかったし。シャチがイルーカから銃を受け取った時に左手で持っていて、「ん?左利きか?」と気になった僕グッジョブ。死体見て真っ先に右手に銃持ってるから偽装やん、じゃあイルーカは外れるな、マーグローは店番、サーバンは可能性なくはないけど(実際爆弾製造犯ではあったし)水にトラウマは明らかに容疑者除外基準に該当するよなと。
 フブキは思っていたよりまともなキャラでした。序盤のあまりにも天然世間知らずお嬢様ムーブが不安だったけれど、本人なりに頑張っていたんだなと。謎迷宮での死に神ちゃんとの発破かけられたり、認め直したりするとこのやりとり好き。
 名前忘れたけど、あやねるの敵キャラの配役もドンピシャ。P5Sの敵キャラにも似たようなのいたけど、あやねるもああいうウザい系のキャラクターが良く似合う。

・4章
 ヤコウ所長……。
 毒ガス部屋の切り抜け方がその謎解きシーンになるまで分からなかったけど、そんな自分の身を犠牲にした犯行計画だなんて。プロローグも含めたら、この章が5章みたいなもんだけど、ダンガンロンパシリーズ伝統の5章の流れを汲んだえげつない謎でした。所長の過去に何かがあったこと、特に恋人関係の後悔があったことはほのめかされていたけれど、ここで回収してくるかあ。ホムンクルスにならなかったことは良かったのか悪かったのか。クリアしてから考えると複雑なところ。
 ヨミーはそろそろウザいというか不快になってきていたので、ここで退場してくれて良かった。その分、マコトの不穏な部分が少しずつ表に出てきていたので、最終章への匂いを感じていたけど。 
 ヴィヴィアはそれまでじっとしていたけど、3章の最後にいきなり怪しい気配を漂わせてきて、4章で隠していた爪や牙をようやく見せてくれた。ヴィヴィア視点でのこれまでの事件やカナイ区はどう見えていたのかな。本人が介入しようと思ったら、別の未来になっていた可能性は十分あったとも思うけれど、それはまた別の作品か。
 
・5章+本作の真実
 ホムンクルスって単語が出てきた時点でねえ……。こういう想像は出来てしまうよねえ……。4章の終わりか5章の始まりかでホムンクルスは人肉を求めるって情報が出た瞬間に、カナイ区民の肉まん好きという性質がパッと浮かんで、血の気が引いたよね。ただ、「まじかよ……」って感想よりも「ああ、やっぱりか……」って諦め。大量誘拐事件のことも受け入れがたいほど綺麗に合点がいって、いろいろなピースが一つに繋がって真実が明らかになっていく感覚。気持ちいいんだけど……、気持ちいいんだけどなあ……。あと、道中でホムンクルスたちがユーマを襲ってきた時に、なぜ執拗にユーマばかり狙われたのか、クルミはたまたま難を逃れていただけなのか、という問いにも後になって答えに気が付くというね。最初からクルミちゃんが狙われることなんてなかったのよね。
 血の色がピンクというのがホムンクルスの特性だという事実。やってくれたなあ、小高和剛。ダンガンロンパ1-3であれだけピンクの血の演出を見せられて、何も違和感を感じなくなっている既プレイヤーほど、あそこで頭をひっくり返されたのでは。ユーマは確かにそう発言していたのに、既におかしくなっていたのはプレイヤー側というこの世に裏切られたかのような衝撃でした。お見事。
 仲間の超探偵たちを模した死体が出てきた時。最初にデスヒコの死体を見た時は、今作プレイ中で一番天を仰いだかもしれない。まじかあ……、ここで遂にやってくるのかよ……って。でも、次に出てきた死体がハララさんだったのを見て、ちょっと現実味が無くなった。デスヒコなら普通にやられそうだなと思ったけど、ハララさんの死体が出てくるなら最後だろうという気持ちがあったので。
 ユーマ自身がナンバーワンだったというのは全然想定していなかった。終わってみてから振り返ると記憶喪失というもっともらしい設定とダンロン2での日向という事例、そもそも世界探偵機構のトップが堂々と映像に出るわけないじゃんと、確信とまではいかなくても推測くらいは出来そうな情報はあったのに。記憶を失う前のユーマがどのようにしてナンバーワンまで上り詰めたのか、クリア後のユーマの行動とかも気になる。スピンオフとかで今後出てくれないかな。(死に神ちゃんとの契約解消したら記憶って戻ったんだっけ?)

・エピローグ
 結果的にメインキャラは所長以外死ななくて良かった。5章でピンクの血の色についての言及があったから超探偵の4人は多分生きてるだろうという希望的予想はしていたけれど、その通りで一安心。
 各キャラが自分たちの道へ戻っていく&進んでいくという結末がとても気持ちいい。クルミちゃんがユーマを追って旅に出るの好き。うたわれるものを思い出す。

・全体を振り返って
 ダンガンロンパ以来の新作ということで自分の中で勝手に期待は膨らんでいたけど、十分それに応えてくれる出来でした。プレイ後の爽やかな読了感。夜行探偵事務所の面々がこの先の未来で歩むそれぞれの道がまた交差してくれたら良いな、その時は彼らの物語をまた読みたいな。
 さて、レインコードの二次創作も漁りますかね……。