鵺のなく頃に

アニメ・ゲーム・イベント・野球の感想を気ままに書き綴ります。

黎の軌跡Ⅱ感想

英雄伝説 黎の軌跡II -CRIMSON SiN- 、クリアしたので率直な感想でも。

 

タイムリープ(巻き戻り)

今作のどうしてこうなった大賞。
プロローグでヴァンとエレインが惨殺されて最初のタイムリープをした時はけっこう衝撃というか感動までしたのに。
世間では第3部のタイムリープ祭りに批判が多い気がしますが、個人的にはそれまでのどうでもよさそうなシーンでもタイムリープを乱発していた時のほうが萎えました。むしろ第八のゲネシスが生み出した"あり得たかもしれない未来"という意味では、第3部での精神汚染・次元干渉からのタイムリープはまだ理解はできる、納得はしてないけど。理科室の爆破とか何が人の原罪なんだよ。

今作のタイムリープが面白くなかったと感じる理由に2つ思うことがあります。

1つが、タイムリープが手段ではなく目的になっていたこと。
第1章からタイムリープを見せたいがためにキャラクターを死なせたり物語を歪ませたりしていたのが不快だった。アニエスの青ざめた顔も最初は新鮮だったけど、何回も見たいものではなかったし。前述したように第3部の展開はタイムリープをする(というか様々な未来の可能性を見せる)ことが物語上でも意味を持っていたから、まだ理解できた(それが判明したのはラスボス戦だったから、そこまで引っ張るのはどうかと思うけど)。でも他のシーンでは、わざわざ1度失敗させてから時を巻き戻すことの意味を感じられなかったし、デッドエンドの持って行き方もチープで呆れることが多かった。

もう1つが、タイムリープに自分の意思が介在する余地が無かったこと。
これは私見なんですが、RPGタイムリープという要素は非常に難易度が高いと思いました。タイムリープはノベルゲームとかでは定番のギミックだけれども、それらのゲームではプレイヤーはあくまで傍観者であることが多いのに対し、今作はプレイヤーが実際にキャラクターを動かして物語を進めるRPG。自分の手でストーリーを動かしている感覚がある中で、ゲームの方から強制的にタイムリープが行われてしまうと、それまでに自分がやってきたことが徒労に終わったように感じ、気持ちよくはなかったですね。断章のようにルート次第ではデッドエンドを回避できるような構成がもっと用意されていたり、自分の好きなタイミングで過去に戻ることが出来たら感想は変わっていたでしょう。

敵キャラ(ラスボスetc)・シナリオ

ガーデンマスターの言動が小者そのもので不快。正体については察しが付いていたわけではないけど、作中で割りと昔の話を掘り起こしていてなんとなく伏線が張られていた感があったから、意外性はなかった。ただ、別のゲームでもあったけど、作中での現代を生きているキャラクターとは関係性が薄い、過去の歴史上の人物が終盤のボスキャラクターとして登場するのは盛り上がりに欠ける場合が多いのですよ。今作もふーんって感想で終わりました。

ラスボスの正体が彼なのは意外性はありつつも、キャラハン教授と同じような仕組みであの事件の時に囚われたという理屈は良かったと思う。ただ、Cの名前を騙っていたのと、正体を明かす時にみんながみんな「まさか・・・」とか「そういうことかよ」とか言ってたのは解せない。どこに正体を察するヒントがあったんだよ。本当に死んだのかとか、どうせ生きてるor復活するとか説もあったけど、今作でケリをつけたのは良かったんじゃないですか。

ロザリーが何度も何度も出てきたのは純粋に不快だった。繰り返し登場させるような格があるキャラじゃないでしょ。

キャラクター

ヨルダは良かったですねえ。キャラデザも性格も声も良い。最後、執行者になったのは順当と思いつつも、ひょっとしたら味方側になってくれないかなという期待もあったので、ちょっと残念な気持ちも。ヴァンやラピスとのスイーツ巡りのイベント待ってます。

黎2発売する前はアニエスとエレインのどちらがヒロインか戦争が繰り広げられていた気がするけど、作中では全然バチバチしてなかった。ギスギスする様子は別に見たくなかったのでありがたかった。どちらかというとエレインが1歩引きつつもヴァンと良い距離感を保てていて、二人の関係性が心地よかった。

一方、そのヴァンだけど、今作は軌跡語録が多くてなんかキツかったすね。特に「ハッ」が多すぎて。

バトル

前作はクラフトよりで戦って、今作も序盤はヴァンとかアーロンとかで物理戦闘仕掛けていたけど、途中からアニエスの装備を調整したら無限大量破壊兵器と化して無双タイムに入りました。カタラクトエデンがエグすぎた。
ラスボス手前のハーウッドイクスヨルダで調子に乗って全体攻撃しまくってたらSクラ3連発されて流石に耐えられなかったです。

ラスボスで戦っている途中にフィールドバトルに切り替わるのは面白かったし、良い試みだった。イースの新作が待ち遠しくなりました。早く出てくれ。

総評

黎の軌跡Ⅱではなく、黎の軌跡1.5&創の軌跡1.5みたいなファンディスクでした。
レンとスウィンナーディアの過去の因縁の払拭がメインだったまである。
ディンゴとかリー家とか黎で出てきた話もあったけど、本筋の話はほとんど進んでないし。ニナも最後にちょろっとネタバラシをしたくらいだったし。カトルの天使の話はテンポよく片付けて良かったけど、フェリに関してはずっとウジウジ悩んでたし。

楽しくなかったわけではないけど、期待していたものを見せてはくれなかった。

次がファイナルチャプターらしいけど、最後は挽回してほしいですね。