鵺のなく頃に

アニメ・ゲーム・イベント・野球の感想を気ままに書き綴ります。

9-nine- 感想

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9-nine-、クリアしました。めっちゃ面白かったです。
4月に発売したコンプリートパッケージから始めて、GWをはさんで約1ヶ月、途中で飽きたりダレたりすることなく読み進められました。
シナリオも面白かったし日常シーンも楽しかったし、各ヒロインの担当ルートの中で次のルートの伏線やヒロインの秘密を垣間見せてきて続きが気になるような展開になっていたのがとても良かったです。

全年齢版ということで元々の4作品にあったHシーンが飛ばされたのはもったいない気持ちもあったけど、実際に遊んでみると途中でテンポが悪くなって手が止まることが無くて案外良かった。他のゲームでもシーンは飛ばしがちなので、最初から無いものだと割り切っていたら意外と悪くないなって。

ガッツリネタバレ有りで感想書きます。

 

1章 九條都

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 EDの歌詞にプロローグってあるくらいなので、9-nine-という作品のプロローグでしたね。都のかわいさは十分に伝わってきたけど、物語としては全然序章で印象に残るシーンはなかったかな。ただ、今回追加された終章での補完で個人的には満足しました。それについては終章の感想で。

 

2章 新海天

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 2章からシナリオが一気に面白かったです。天のかわいさもあるんですけどね。種﨑敦美マジパネェ。
 ヒロインの存在が消えてみんなに忘れ去られてしまう展開は最近だと青ブタとかアイこめとかでもあったし、けっこうよくあるパターンだけどなかなか心に来ますね。選択肢は普通に間違えてバッドエンドに直行しました。あんなの天の願いを叶える選択肢を選ぶしかないだろ~~~。でも言われてみればその通りだなって納得。
 普段の翔と軽口を叩きあっている天も良いけど、お兄ちゃん大好きっ子になっている天もかわいすぎる。会話中の声のトーンも変わり様でも笑うし、好かれる要素しかないですねこの娘は。

 

3章 香坂春風

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春風先輩の印象が見事に変わりました。もちろん良い方向に。年上のお姉さんキャラってあんまり惹かれないんですけど、春風先輩はポンコツキャラの素の性格と翔をもてあそぶ女王様の性格が良いバランスで成り立っていて好きになりました。自分の欲望に忠実なオタクな女の子、いいじゃないですか、かわいいじゃないですか。
シナリオも王道な流れでいったら作中で一番好きかもでした。これまで敵対したり曖昧な立場だったりよくわからないポジションだった春風先輩と手を組んでパッケージヒロイン4人が勢揃いして、さあ最終決戦だとなったらやっぱりイーリスが黒幕で。そしたらそれも踏まえて与一や連夜も味方に付けて春風先輩の覚醒も起きてひとまずはイーリスを抑えることに成功して。敵対していた相手が味方をしてくれる展開は定番っちゃ定番だけどやっぱり良いっすね。
春風ルートで遂に希亜の素の顔が見えてきて、4章の期待もどんどん膨らみました。

 

4章 結城希亜

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4章はもう感想が多すぎて多すぎて何から書けばいいのか。
とりあえず希亜がかわいすぎてもう。これまで見せていたクールぶった仮面の裏に秘めていた甘えん坊の顔のギャップがねえ・・・もうねえ・・・たまらんのですよねえ・・・。自分が女の子と見られていると気付いていない時の無防備な姿から、気付いた後の積極的にアプローチをかけまくる姿とかねえ、ホントかわいいじゃないですか。

だからこそ、あのED途中の演出から始まる一連の流れの絶望感がヤバすぎだった。本当にどうやって解決するのか先が見えなくて読み進めるのが苦しいくらいだった。
それまでの話の流れがあまりにも淡々としていてこれで本当に終わるの?という疑問や不安はあったなかでの1回目のEDの演出はやっぱりかーという気持ちとこう来たかーという気持ちが半々でした。与一との物理的な殺し合いを始めたあたりから胸が締め付けられるように苦しくなって、ループ直後にヒロイン皆殺しからの希亜が部屋に置かれているシーンはもうねえ・・・。本当に辛かった。それを乗り越えての最終決戦は最高に熱かった。あの世界に本当の希亜たちはもういないわけで、それでも他の枝の仲間たちのために戦い続ける翔はかっこよさと悲しさに溢れていて。この枝があるからこそED後の平和な日常が紡がれていると思うとなんともいえない気持ちになりますね。

 

新章

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この手の作品って一番最初に仕事を終えたヒロインのルートって秘密がたくさん残される不遇なポジションを受けることが多いので、こうやって新章で伏線を回収するというか救済するやり方は上手だなと感じました。しかもすべての記憶を引き継いだ翔と与一にアップデートされた状態で、与一の記憶を奪った都もそれを把握して別の選択をするという流れは秀逸だなと。9-nine-という物語の最初と最後をきれいに結びつけたなあと思います。・・・ハッ、これがメビウスの輪、輪廻転生のメビウスリングだったのでは!?(多分違う)
各ヒロインルートのエピローグも良かったです。幸せなエンディングを迎えたあとのエピローグを見るのが大好き人間の僕にとっては最高の補完要素でした。希亜のコスプレかわいすぎるでしょ・・・。あと翔の記憶を引き継いだ各ヒロインが他の枝で自分以外の娘と付き合っているのを知って嫉妬する流れは非常に良いものです・・・。某恋愛強者の実況を見てたら嫉妬するヒロインも良いなあってなってしまった。実妹の天とも結ばれる枝があるのを知るのはけっこう気まずいよなあって。

 

その他感想

名作になるにはメインキャラクターだけじゃなくてサブキャラクターも際立っていなきゃいけないという持論があるんですけど、今作はそれに漏れず光り輝いていましたね。与一も連夜もゴーストも沙月先生も良い味がありました。最初は杉田さんの連夜に違和感バリバリだったけど、途中から連夜の性格とか喋り方とか知ったらこれもうベストマッチでは?と感じるように。ゴーストの荒くれ者の口調とかレナのなんだかんだ言いながら翔を手助けするところとか沙月先生のダルそうな口調とか好き。

 

1ヶ月で遊んだ自分ですら心に残る作品になったのに、4~5年もの歳月をかけてこの物語を追い続けてきた人の思いは計り知れないだろうなあと少し羨ましく思った次第。この後の展開がどうなるかは分からないけれど、これからは僕も付いていくと思います。